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社長の孤独 [日記]

新卒で会社員になった直後ぐらいまで、会社の社長が友達が一番多いと思っていた。
友達というのは語弊があるけれども、「仲のいい知り合い」とか「縁のある人」くらいの意味ではやっぱり会社では一番に仲のいい知り合いが多くてうらやましいと思った。
会社で付き合いのあるひとはもちろんだけれども、社長はその会社 100人くらいの従業員とは顔見知りなはずで、一方で僕は自分の同期と配属先の先輩くらいしか知らないんだから。
その頃までは採用の最終面接は社長がやっていたので、社員全員、社長だけは何らかの会話を交わしたことがあったはずだった。

入社してしばらくたつと、その考えはまったく間違っていたということに気づいた。

社長は会社のあらゆることの決定をしないといけないけれども、そのとき他人に相談はできない。
平社員は課長に不満を持ち、中間管理職は結託して社長に文句を言うこともあるだろうが、社長は一緒に文句を言う仲間がいない。
昇給が少ないのも休めないのも社長が悪く、社長は世の中の景気や働かない一部の社員のせいにはできない。
あとで考えると、社内の特定の人と仲良くするようなこともしていなかったと思う。
僕が考えても、自分以外の特定の人と仲良くて、仲良いことが理由で引き揚げられたりしたらやる気をなくす

総務部に用事があって社長室の脇を通ると、だいたいはドアが開けてあって、僕が通過するのを見かけると
「nakagami 君、最近どうだね?」
と声を掛けて、招き入れて世間話をするような人だったが、転職して辞めていく人の送別会に出たのを見たことはなかった。
あれは、社長のポリシーだったんだろう。
僕が辞めるとき、
「とにかく同じ会社にずっと居続けるのは転職できなくなってやばい」
という一心でやめたが、社長と喧嘩したつもりはなかった。でもやっぱり社長は送別会には来なかった。

少し驚いたのは、僕が在職中に創業時から一緒にやってきた(らしい)専務が辞めたことだった。
二人三脚でやってきたように見えたし、社長派、専務派っていうのなかったと思う。少なくとも仕事上は仲良くなっているように思えたが辞めた。
僕は、社長や会社に対する不満というよりは、いつまでも No 2. でもつまんないなー、とか、大きくなりすぎた会社よりももっと小さいところで気楽にやりたいことをやりたいなー、とかそんな理由なんじゃないかと思った。
僕は専務の送別会にも出たと思うが、社長がいた記憶がない。専務の送別会でも出ないんだーと思ったような気がする。
(あとで2人でこっそりやったのかもしれないけど)

その会社を辞めてから、いくつかの会社の社長を見ているが、続いている会社の社長って孤独だな、と思っている。


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