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年金をもらえなかった J さん [日記]

前職では http://nakagami.blog.so-net.ne.jp/2010-06-18 のあと K さんのほかにも何人か韓国人が入社した。
比率としては、やはり女性が多かった。
単身海外に出て働く人たちだから特別なのか、みんな根性あって、とても観光がてら腰掛けで働いていますっていう感じではなかった。

その後、東北の震災があって、何人かは会社を辞めて韓国に帰った。
本人たちは日本に残りたかったようだが、あの時は国内はもちろん海外、特に韓国での放射線に関する風評被害がすざまじく、親が許さなかったようだ。

どういうタイミングだったか、会社の飲み会で、もうすぐ韓国に帰ることが決まった S さんと、日本に残ることになっている J さんと同席した。

普段、プライベートの話などしないのだが、その時 S さんの彼氏は韓国人で(その時点では)日本で働いていること、 J さんの彼氏は日本人だということを聞いた。

「じゃあ、S さんの彼氏も韓国に帰るの?」
「まだわかりません」
という話をしたときに、失礼ながら何の気なしに
「J さんは、いつまで日本にいるつもりなの?」
と聞いたところ、少し恥ずかしそうに
「ね、年金をもらうまで・・・」
と答えてくれた。

それまで、なんとなく理屈では知っていたが、日本で働く外国人も所得税、地方税は当然のこととして年金、健康保険の掛け金を掛けているんだった。
しかも、就労ビザで働いているということは日本人よりちゃんと払っているわけで。


僕が前職を辞めて数年経ってから人づてに、J さんが亡くなったことを知った。
理由は聞いてないが、最初に思ったのは
「Jさん、年金、もらえなくなっちゃったね・・・」
ということだった。今でも Facebook で
「誕生日のメッセージを送ろう」
が出るたびに、
「年金もらえなくなっちゃったね」
と思い出してる。

年々、ネットでの外国人叩きの書き込みが増えているように思うが、頼る人もなく(それでもなぜか)日本が好きで、職がなくなると就労ビザが切れちゃう日本に頑張って暮らしている外国人と、僕のように、たまたま日本人の両親のもと日本人として生まれ日本語しかしゃべれず、漫然と日本に暮らしている人間と、どちらが日本の役に立っているかわからんよ。
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