Jython プログラミング

読了
Python 的なプログラミング言語の解説と Jython 的な必要最小限の機能の説明を薄く広く展開している入門書、というか解説書を想像してたけど全く違った。
Java がだいたいわかるくらいのレベルの人に、Java のアーリーバインドで静的な型を持つプログラミング言語だけでなく、Python のレイトバインドで動的な型言語もうまく使うと世界が広がるよ、というための啓蒙書。
これは Python の本ではなく、Java の本なのだ。
大手町の紀伊国屋で最初 Ruby/Python のコーナーを探してなかったが、Javaコーナーに置いてあった。店員の人はよくわかってる。

本の中で説明するための必要最小限の Python の説明は行っているが、これでは実際のプログラミングには到底足りない。なので、Jython というプログラミング言語（の特に Python 的なところ）を知りたいのであれば、この本では足りない。

必要とする知識レベルは新人君レベルを想定しているが、解説しようとしていることは結構レベルが高い。新人君や学生であっても１を聞いて１０を知るような人には世界が広がって良いと思うし、いろいろためになることを書いてると思う。しかし、消化しきれないとなんだかよくわからないことになってしまうので、万人にお勧めする本ではない。
正直、菱形継承の問題点と解決の仕方を Jython 本で解説されるとは思わなかったし、Python の new type class と old type class の継承の違いをこの本で知ることになるとは思わなかった。

誤解されては困るが、けなしているのではない。なかなか良い本だと思う。
ただ、この本の出版社である毎日コミュニケーションズの「マイコミジャーナル」 http://journal.mycom.co.jp/ と同様、ちょっと変わった本だなぁ、と思う。