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進級したS君のこと [日記]

最初にS君を見たのは、去年の息子の中3の父兄参観だった。
英語と理科を見たが、周囲の子と楽しげに雑談はするが授業は聞いてなくて、見るからにまったくついていけてなかった。
どういうわけか S君と息子は仲が良かった。

S君は高校は、私立の底辺校を受験した。
学校推薦というやつで試験は自分の書いた作文を読み上げる、というようなものだったらしい。そこがダメだったら、通信制か単位制の高校ということになるので、合格できて息子も喜んでいた。

高校に入ってからも息子と S君は月に一回くらいは会っているようだった。

2学期の期末試験の前だったと思うけれども、たまたま息子が駅でS君と会って
「このまま赤点続きだったら、進級できなくて退学かもしれない」
と告白された。そこまでヤバい状態になっているのを知ったのは、その時が初めてだった。底辺校でも S君の成績は特別芳しくなく数学と英語(あと何教科か?)については、それまで一度も30点以上とったことがなかったららしい。
赤点をとったら即進級できないということはないが、さすがに1年間ずっと赤点ではだめだろう。
息子が
「うちに来て勉強しなよ」
と言って、そこからS君の試験対策が始まった。

・・・といっても、
教科書を見ても前回のテスト範囲がどこまでだったかもわからない。(本人が理解してないので)
どの程度の難易度の問題が出るのかわからない。(本人が理解してないので)
そして、S君は基本的な分数や少数の四則演算ができなかった。(かみさんは小5の計算ドリルを買って来た)

解の公式に当てはめればできる問題も途中で計算間違う。二次方程式のグラフ・・・と思ったら、まずグラフのX軸Y軸の意味が理解しきれてなかった。
息子は
「そういう解き方だと計算が難しい。詳しく教えすぎると混乱する。そこまでの計算はできるはず・・・」
といろいろ教え方を苦労してた。
僕も、中学の頃の同級生が小学校高学年の計算ができないと知ったときに
「この子は3年間ずっと授業がわからないまま授業聞いてたのか・・・」
と思ったことがある。かみさんは「こう教えればいいんじゃない?」とアドバイスしてたが、息子のほうがS君の実力を良く理解していた。廃部寸前の野球部が甲子園を目指すマンガみたいなものだ。

期末試験の前にカミングアウトされたので時間がない。
週に2、3日はうちに勉強に来ていたが、他の日は他の科目を自分で勉強しなくてはいけなかった。
あの時、S君は人生でもっとも勉強したと思う。
・・・が、勉強しなれてないので、あまり長時間はできない。

結局、その時は数学はぎりぎり30点は超えたんだったと思う。
といっても、別に、一回30点超えれば進級できるというわけではない。
その後も、時々我が家に遊びに来ていて、来るたびに、かみさんが買い与えた小5の計算ドリルをやっていた。3学期の期末試験は、もう少しはマシだったらしい。嬉しそうに70点の国語のテストを持って来たらしいが中学高校で最高に良い点数だったに違いない。

先日、赤点の科目の課題を書くと言って家にきて一緒に勉強(レポート書き)をやっていたらしく、我が家では
「進級できなかったら課題なんかでないんじゃないの?」
という話をしていた。
ただ、書き写すだけのレポートでも家で一人で考えていたら何をどうしていいのかわからないに違いない。息子のところに来たのは賢明だ。ちなみに、そのとき必要なレポート用紙を持って来てなかった。

一昨日、S君の進級が決まったという連絡を受けて、息子は自分のことのように喜んでいた。
僕は、2学期の終わりに駅であって「うちに来て勉強しなよ」と言ってあげられた息子を誇らしく思う。

引き続き赤点科目は多く 30点いくかいかないかの成績では、その学力をベースに2年、3年の授業に
ついていけるのか余談を許さない。2年、3年で退学しないで留年を選択したからといって、その翌年は進級できるのか・・・

S君と息子の闘いは続くのであった

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