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かみさんが父に向かって私のことを「悪い人だ」と言った話 [家族]

牛飼いといえば、父の頃は生き馬の目を抜くような騙し騙されの世界。
買ってきた大丈夫なはずの牛がすぐ死んだり、はらみじゃないはずの牛に子供が生まれたり、手形が不渡りになったり、と聞けば父もいろいろな目にあっていたらしい。
今は、牛の総背番号制度で違ってきてるみたいだけど。

そんな父からみると、田舎でちょっと成績がいいだけの息子は随分頼りなく世間様の荒波の中で無事暮らしていけるか、随分心配していた模様。中高生の頃から、父は私に「お前は、先生になるのがいい」とか「公務員になるのがいい」とか言っていた。
その頃から(そんな、面白みのない仕事全然やる気しないよ)と思っていたが、社会人になって気付いたのは、一般企業の身分の不安定さと公務員の安定さ。今でも、公務員になりたいとは思わないが、父の真意がわかるようになってきた。

就職してからも、父は、息子が正直過ぎてうまく渡り歩いていけるもんなのか心配していた。多分、プログラマーという父には想像を超えた仕事で、3K 職場だという伝聞も手伝っていたんだろう。

さすがに最近言わなくなってきたなぁと思っていたが、今年の正月に家族で帰省した時にも、私が風呂に入っているときに、かみさんに「世間でうまくやっていくには時には嘘もつかなきゃいけないけど、息子は人がよすぎるんじゃないか」という話をしたらしいが・・・
その時、かみさんが「大丈夫です、あなたの息子さんはは十分悪いですよ」と言ってくれたそうだ。
その話をかみさんに聞いたのは、父が6月に亡くなってからだったと思うが、父がその話を聞いて安心して極楽に行けたかどうかは知らない。


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