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使い方は使う人が決める [プログラミング]

僕の最初のころの仕事の話を思い出したのでちょっと書いておく。

それは、マイナーな CAD 向けのオプションの CAM モジュールを作るという仕事だった。
もくろみとしてはソフトウェアパッケージを作ってバンバン売るつもりなのだが CAD としての数もそれほど多くなく、そのなかで金型なんかを作ってるメーカーに売り込もうというのだからなかなかそうはいかない。
実質的には売れそうな(もしくは既に買ってくれてる)お客さんのところを回って、要望を吸い上げて、その機能を実装するという流れだった。

(お客さん回り、僕の仕事ではないので以下伝聞含む)
なにぶん、お客さんは金型メーカーの職人のおっちゃん的な人たちなので、コンピューターのことはさぱりわからない。しかしながら、2次元 CAD の図面なのに、その図面からこちらで作った CAM モジュールを使ってものすごいプログラム(加工機に渡すデータ)を作って立体物を切削したり、板に穴をあけたりしてた。
プログラムを作ってる我々が「ふーん、そういうふうに使うんだー」と感心する程に。

最初は、お客さんの「やりたい」という要望が
・A → B
・C → D
の2パターン上がってきたとすると、できるだけそのようにできる機能を付けた。
ところが、そのうち
・C → B
・A → D
というパターンもできるようにして欲しいと言われる。
しかも、上にあるように作り手の想像を超える使いこなしをしているのを見て、そのうちこちらも、 A B C D の4つの機能とそれを組み合わせられる機能を作るようになる。そうすると
・B → C
とかやり始める。日本の製造業の職人の人たちのレベルの高さを思い知った。
「あの人達、パソコンの使い方はよくわからないからできるだけわかりやすく。でも RS232C でデータ転送とかは得意だから大丈夫」
という話だった。

あのプロジェクトを通して、
「ユーザーは、プログラム提供側の想像を超える使いこなしをする」
「作り手は、あまり使い方を決めつけないで直行性のある機能を提供するのが吉」
ということを学んだ。

あの仕事以来、作り手の会議で
「○○の機能は必須。××の機能はいらない。」
と言ってたりするのを聞くと、
「そんなんわかんないじゃん」
って思う。

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