タイムマシンにお願い

娘が「タイムマシンに乗って、大人になったら何になるか見に行ってみたい。」と言ってた。
父は「大丈夫だよ。タイムマシンに乗らなくてもすぐに１０年くらい経っちゃうから。」と答えた。
娘は（足し算して、それじゃ足りないと思って）「そうじゃなくて、ピアノの先生とかお母さんとかになってるかどうか見たいの・・・」
１０年でも２０年でも同じくらい、すぐに来るよ、、、と言いたいところだが、生まれてから１０年も経ってない娘には、永遠にも思えるほど長いということはわかる。僕も子供の頃そうだった。

僕はと言えば、今はむしろ子供の頃の自分の様子を見に行ってみたいと思う。
家の近くに陸橋があったことや、毎日のように遊んだT君の家の前が土手だったことや、今は主要な道路が舗装すらされてなかった時のことを大分忘れてしまったので。
朝、起きたときには両親が裏の牛舎で搾乳を終えて来た時の情景や、搾乳して乳を収集所に車で持っていく時に、父に助手席に乗せてもらった時の情景を断片的に記憶しているのだが、日々その記憶も薄れていく。

娘も今の僕の年になったときには、小学校１年生の今にタイムマシンで戻ってみたいと思うことだろう。