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医療事故でなく、分娩時の発症で思ったこと [畜産とか獣医学とか]

分娩中に脳内出血を起こして妊婦が亡くなったという事故がおきた。
起きたことは不幸なことであるし、夫の方の憤りはわかるが、新聞の書き方はあんまりだ。
ここらへんのコメント↓は、私の意見と同じ、もしくは近い。
http://www.yabelab.net/blog/2006/10/17-124111.php
(コメント、ほとんどがお医者さんなんでしょうなぁ・・・)
「助かったかも知れない」というのは詭弁で、実際には無理だったと思う。
遺族や新聞記者の根底には、医者ならわかるはずっていうのがあるんだと思うけど、治療なんて医者が自分でコントロールできることなんてほんの少しで、ほとんどは運を天に任せてるようなもの。
ましてや、産婦人科医に分娩時の意識不明で脳内出血まで疑えというのはとても無理。
(いや、脳内出血を疑っても、それを治療するのは無理だと思う)
医者は(獣医も)普通の人が思ってるほどには専門外の病気のことを知らないし、何でもはできないんだ。
#動物の病気を診ろと言われても私は勉強してる飼い主さんの足元にも及ばない。
#だから、私に動物の病気のことを聞かないように

町立病院の人たちは、夜間の人数の少ない体制のなかでむしろよくがんばったと思う。

今回の事件が、裁判になったとすると、最初の(分娩を開始した)病院か最後の(受け入れた)病院が訴訟対象になる。そうなると、結局、患者の転送を断ったほうが良くないか?

時には、実力のない医師が腹腔内手術をして死ななくてもいい人を死なせたり、普通は死なない心臓手術(心室中郭欠損を塞ぐとか)を不手際で死なせたりはある。
だけど、産婦人科や小児科(特に新生児)の疾患死をいちいち裁判してたら、日本は産婦人科医と小児科医はいなくて、美容外科ばっかり(んー、あとは耳鼻咽喉科かな)の国になっちゃうよ。
奈良県での最近の出産時のトラブルで、他病院に搬送された場合は、常に県外の病院になってしまっているらしい。ということは、「奈良県で医者をするのは危険」ということにもなるし。
なんか、さっきのTVニュースでは、警察が町の病院を業務上過失致死で調査するらしい。
医者が居なくなって、町立病院が存続できなくてもいいんだな、警察は。

上のブログで、私の実家近くの豊橋市民病院の例が出てて読んでしまったが、
http://www.yabelab.net/blog/2006/09/29-224202.php
これなんか、典型的に医者になる気をなくさせる事件だと思う。

「私、医者です」と誰かに言われれば、私は「大変ですねぇ」とまず思うだろう。
今のところは、(実際の能力はさておき)息子には医者になって欲しいとは思わない。
(収入は少なくても、呑気にプログラマーしてたほうがまだ幸せでは)
より暮らしやすい世の中になるために、お医者さんがもっと尊敬され安心して仕事ができる必要があるはずだ。


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